4  抗がん剤は転移促進剤

● 抗がん剤が転移しやすい体内環境をつくる

がん細胞の敵はリンパ球軍団である。がんにかかっても、依然としてストレスを たくさん抱えたままでいたり、大手術を受けたり、抗がん剤や放射線治療を続けていると、 体内環境は圧倒的に交感神経優位の状況に陥っていく。これはそのまま顆粒球の著しい 増加ということであり、必然的にリンパ球には活躍の機会が巡ってこない。 これが発がんの原因であると同時に、がん細胞の体内「株化類似現象(=自己革命)」 すなわち遠隔転移に道を開くことになる。 リンパ球軍団の力が失われる恐ろしさの本質は実はここにある。

● 転移は将棋でいえば「成金」

ガンの転移を将棋に例えると、成金のようなものだ。転移とは、血流中をさまよった末、 ほかの臓器に定着し、増殖を始めることだ。つまり、ほかの臓器という敵地に乗り込んで 大暴れする成金だ。臓器の側も激しく防戦し、外敵を打ち破ろうとする。 しかし、抗がん剤で打ちのめされた免疫機構すなわちリンパ球減少状態という自らの 手駒の不足した状態ではとても太刀打ちできず、なす術もなく侵略者の意のままとなる。

▼赤血球の連銭現象

    <健康な人の赤血球>    <ストレスのある人の赤血球>
赤血球の連銭現象
      〜 ストレスで赤血球がつながってしまう 〜

                         ガンは自分で治せる[マキノ出版]より引用作図


こうなると医師は患者の家族に手遅れの末期症状で、余命は3ヶ月、あるいは半年 ですと言い渡す。
それからが問題だ。そうなった以上、せめて残りの人生を苦しまずに送らせてあげようと 手段を講じるのならばまだ良いが、実は多くの場合、そこから抗がん剤の投与が始まるのだ。
患者は下図のように全身に転移が及ぶ。そして抗がん剤に苦しみ抜いて死を迎えることになる。
● がん転移の真相はディフェンダー不在のサッカーゴール

▼がんの肺転移巣
がんの肺転移巣

このところ日本でもサッカー熱が盛り上がってきた。私はサッカーは 何か点の入り方が少なく、単純っぽくて、あまり興味を持てなかったが、 がんの転移を説明するのにまことに都合のよい状況が実はサッカーにあることが分かった。 それは、「ディフェンダー不在のサッカーゴール」がどんなに無力かということだ。
体内におけるがん細胞の転移は、これと同様の現象であると私は考えている。 ディフェンダーとはリンパ球軍団にほかならない。
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